台湾の法律事務所を訪問して(台湾旅行記1)
つい先日,弁護士会の会派の新人歓迎旅行として台湾へ行きましたので,そのご報告をしたいと思います(何回かに分けてご報告の予定です。)。
私の所属する大阪弁護士会には合計7つの会派があるところ,私は,春秋会という会派に所属しています。
春秋会では,毎年,新人弁護士が登録した直後(大阪の場合,新人弁護士は,大阪弁護士会への登録直後に,いずれかの会派に入会することが多いです。もっとも,近年は,いずれの会派にも入会しない無所属の方や,弁護士会登録からしばらくして会派に入会される方も増えているようです。),新人歓迎企画の1つとして,新人の方を歓迎すべく旅行を企画しています。
自分自身が新人のときには,北京へ連れて行っていただいたのですが,それ以来の新人歓迎旅行への参加となりました(今年度は,会派の親睦委員長に就任しており,新人歓迎旅行の主催者として,旅行を企画の上,参加いたしました。)。
私自身,台湾は初めてということで大変楽しみにしていたところ,その期待は,裏切られることなく,期待以上に大変充実した,楽しいものとなりました。
旅行は,平成28年2月26日(金)から28日(日)まで2泊3日で,初日は,台湾の法律事務所を訪問し,事務所の業務内容から台湾における法律事務所や弁護士の現状等について,お話をお伺いしました。
我々が訪問させていただいたのは,理律法律事務所と萬國法律事務所です。旅行の参加者を2グループに分けて,それぞれの事務所をお伺いしました。いずれの事務所においても大変熱烈にご歓迎いただきました(この場を借りて,改めて,両事務所に御礼申し上げます。)。
私は,理律法律事務所を訪問させていただきました。
理律法律事務所は,台湾で最大規模の事務所であり,台湾の弁護士が130名以上,その他弁理士,特許代理人,商標代理人,科学技術分野の専門知識を持つ技術者等のスタッフを含めると総勢800名となるそうです。
業務内容は,多国籍企業にグローバルなサービスを提供すべく,渉外案件や知財案件を中心に幅広く取り扱っておられるようでした。
日本の企業をクライアントとする案件も多数あるようであり,日本専属チームがあり,日本語を話すことのできる弁護士等も多く,実際,私たちに,業務内容等を説明いただいた弁護士の方や,所内をご案内いただいた弁護士,弁理士の方々も,大変流暢な日本語を話されていました。また,日本の弁護士資格を有する方もいらっしゃり,また,スタッフにも日本人が多数いらっしゃるようでした(大阪ご出身という方もいらっしゃいました。)。
台湾は,マーケットとしては決して大きくはないので,台湾企業としては,欧米なり,中国なり,日本なりをマーケットとすることとなり,必然的に,法律事務所としてもそれらに対応する必要があるようでした。
日本業務としては,台湾企業と日本企業との案件だけではなく,例えば,日本企業が中国に進出したいと考えている場合に,まずは,台湾企業と合弁なりした上で,それから中国に進出するというパターンもあるとのことでした。
日本企業にとって,世界の工場としての中国の役割は終わり,市場としての中国にどう対応するかという視点に変わってきたと言われているところですが,日本企業と台湾企業,中国企業の結びつきを感じさせられた一面でした。
個人的には,台湾,中国,日本の企業の橋渡しとなれるように,英語と中国語の一層の向上,各国の経済事情及び商習慣,ひいては国民性や文化に対する深い知見の必要性を強く感じ,より一層の精進と努力を誓いました。
理律法律事務所では,台湾の弁護士や法律事務所の現状についても興味深いお話をお伺いしました。次回はその話を書かせていただきたいと思います。
(田中智晴)